一般動詞2-英語の動詞は”じゃない方”ばっかり?な件


Hello, everyone!

麻布ブレインズ英会話スクール講師のYukkieです。

今日は前回に続き一般動詞、すなわち”じゃない方”の動詞の解説をしていきたいと思います。 まず次の例文を見てください。

You have a pet.(あなたはペットを飼っています)

この文が否定文と疑問文になるとこうなります。

[否定文] You don’t have a pet.(あなたはペットを飼っていません)

[疑問文] Do you have a pet?(あなたはペットを飼っていますか )

あらら、いきなりdon’tやDoがどこからともなく出てきましたね。さてさて、これらはどこから来たのでしょうか?この謎を解くには英語の文法の歴史を紐解かなくてはならないのですが、これは後ほど少しお話します。doに話を戻しますと、実は13世紀頃から一般動詞の前にdoやdoesを置く文法が登場してきました。なので上記の例文は昔は 

You do have a pet.

となっていたんです。お察しの良いみなさんはもうお気付きですね。ここからdon’tやDo ~?が生まれたんですね。下のチャートをご覧下さい。

まずは否定文です。ご覧のようにdoにnotを付けることで否定文になりました。そしてdo notの短縮形をdon’tにしました。次に疑問文を見てみましょう。

今度はbe動詞の時のように主語とdoをクルっと入れ替えることで疑問文を作ることになりました。そしてbe動詞の疑問文の時はbe動詞で答えるようにdoで問われた場合はdoを使って答えます。ここで気をつけてほしいのは、Noの場合は最後にnotを付けなければなりません。決してNo, I do.とはしないでください。上記のNo, I do not. はもちろんNo, I don’t.でも構いませんよ。3人称単数形現在も同じように説明できます。次の例文を見てください。

Jiro likes music.(ジローは音楽が好きだ) 

likeにsが付いてますね。実はこのsはdoesの印なんです。だから上の文は昔は Jiro does like music. だったんです。この文を元に否定文と疑問文を作る仕組みは同じです。

※Jiroは一回出てきたんで答えるときはheに置き換えます。

一般動詞の否定文や疑問文の時にdoやdoesが藪から棒に出てきたわけではなく、こういう英文法の成り立ちの背景があったということなんですね。じゃあ何で今は肯定文でdoとかdoesを付けなくなっちゃったんですかね?いい質問です!昔肯定文で使っていたdoとかdoesは迂言的用法と言われ、後ろの動詞と同じ意味ですよ、ということを表していました。迂言とは回りくどいなどの意味ですが、ぶっちゃけこの時のdoとかdoesはあってもなくてもどっちでもいいよってことだったみたいです。昔のどっかの誰かがカッコつけて言っていたのかもしれませんね。あってもなくてもいいならなくて良くね?、ってことで動詞を強調する時に使う以外は使わなくなったみたいです(※現在でも動詞を強調する時はI do love you.みたいに動詞の前にdoやdoesを置きます)。で、昔は一般動詞の否定文や疑問文もbe動詞の時と同じように変化させていたのですが、give upのような熟語の場合、例えば I give not upとかGive you up?のようにgiveとupを離してしまうと本来の意味が分からなくなってしまう可能性が出てきてしまって、” そういえば昔、動詞の前にdoとかdoes付けてたことあったよね?それ使っちゃお!”ってことでずっとあとになって現在のdoやdoesの否定文や疑問文ができたんだそうです。

今回は図らずもマニアックな内容になってしまいましたが、いきなりのdoやdoesにも理由があったんだと知るのはおもしろいですね。やっぱり言葉は生き物なんだと改めて感じ入りました。

それではまた次回~

All is nowΦ

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