仮定法1ー“今“を”過去“にすると?、な件


Hello, everyone!

麻布ブレインズ英会話スクール講師のYukkie です(о´∀`о)

ご存じない方も多いかもしれませんが、大林宣彦監督の隠れた名作で『青春デンデケデケデケ』という映画がありまして。その中で主人公ちっくんの高校の英語の先生役の岸部一徳大先生が黒板目一杯に

直説法はホンマ!

仮定法はウソ!

と書くシーンがあるのですが、正直これが仮定法の真髄なのですよ。だから今回はもうブログ書かなくていいかなぁと思ったんですけど、まぁでもせっかくなのでなぜ仮定法がウソなのかをご説明したいと思います。

直説法ではif節の時制は現在形です。以前ブログ『未来に”今を作る?”』にも書きましたが、if節の動詞が現在形であることで、if節の事柄が今もしくは未来が今になる時に起こる可能性がある=ホンマとなるからなわけです。

では次に仮定法の文章を見てみましょう。例えば、

If I were Nakajo Ayami, I would be able to walk the runway for TGC.(もし私が中条あやみならTGCのランウェイを歩けるのに。)

みなさんお気づきですか?仮定法のif節の動詞が過去形になってますよね。しかもIの過去形はwasなのにwereって。これは何を意味するんでしょうか?

リアルな私はYukkieなので事実はI am Yukkie. です。今現在Yukkieとして存在していることをこの文章で表しています。なのでIf I am Nakajo Ayami, としてしまうと、今現在もしくは未来が今になったとき私が中条あやみになる可能性があるってことになっちゃうんです。私は私でほかの誰かになることはありえません。この”ありえない”を表現するために”今”を”過去”にしちゃったんです。だからif節の動詞を過去形にすることで、現在のことなのに過去形ってありえなくね?=今言ってることは本当のことじゃありませんよー、という印になるわけです。さらにwasをwereにすることで”ありえない”感がさらに強まりますね。

そして主節の時制はwillではなくてwouldになっています。以前『英語は時制』でもお話しましたが、willは”今”というポイントがないと使えません。それにwillは”これからそうするね”という100%に近いこれからの行動を示すので、現在のことなのに過去になってる仮定法の本当ではない世界では”これからそうするね”は使えず、willがwouldになるのです(ちなみに主節ではwouldのほかにcould, mightも使えます)。これが仮定法過去すなわち、今の事実とちがうけどね、という話をしているよということになります。

仮定法過去完了でも同じことが言えますが、これはまた今度お話します!

それではまた次回~( ´艸`)

All is nowΦ

Take care!